新刊の原稿、始めました。
最初のシーンがちょっと書きにくいところで、なかなか苦戦しております
ここを過ぎれば……!
先日買い込んだSF『天涯の砦』(小川一水)を読了。
読後、いろんなことを考えさせられる話でした。
ストーリーは単純です。
宇宙ステーションで壊滅的な事故が発生。
ステーションはめちゃくちゃに破壊され多くの犠牲者が出るが、そのなかで奇跡的に生き残った者たちがいた。
彼らはデブリとなったステーションの残骸のなかで生きのびるために必死の行動に出る…というサバイバルものです。
これを読んで宇宙で人間が「生きる」ということの難しさ、危うさ、怖さをつくづく感じてしまいました。
人間は空気がなければ生きていけない。
そして宇宙には空気がない。
空気だけでなく、人間が宇宙で生存するためには多くの条件が必要です。
宇宙に行くためには、地球上にある人間が生存するための環境をそこで作りこまなければならない。
物語ではステーションが破壊され最も重要な生命維持システムに危機が生じます。残った人間もかろうじて気密を維持した区画に留まることができたからで、壁一枚向こうの隣室は空気が流出して真空だったりする。
そんななかで、生き残った人々が知恵を出し合いその状況を好転させようと行動するわけですが…。
ミュウのことをふと考えてみました。
ブルーやジョミーはこういう危険とはまったく無関係だよな~と。
彼らは身体のまわりにシールドを張れば、宇宙服もつけない姿で宇宙空間だって自在に飛び回ることができる。
シャトルの窓に張り付いたトォニィを見た人間が驚愕してましたけど、あれは当然の反応ですよね。空気もない宇宙に生身でいられる人間なんてありえないのですから。
あれを見たらミュウを「化け物」と思っても無理ないと思うな。
ミュウは人類の亜種だけど、もはや別の種族だと考えた方が自然かもしれない。
宇宙で人間が生存するということ。
これが「天涯の砦」の重要なテーマでもあるわけですが、いろいろ触発される内容でした。